2014年5月21日
10年前の民衆一揆、オンライン初の市民革命 「バーツ解放戦争」 とは [ LineageⅡ- 海外情報 , 情報・ニュース等 ] Tweet
バーツ解放戦争は、2004年リネージュ2 サーバーの中の一つである
「バーツ」 サーバーを掌握していた 「DK(Dragon Knights)血盟」 の
独裁に対抗して、全サーバーユーザー達が団合して対立した、
オンラインゲーム内で起こった戦争だ。
2004年 6月から 2008年 3月までこの戦争は進行されて、
ゲーム内 「民衆」 階層の一揆により、オンライン初の市民革命の
事例として、各界隈から注目された。
このバーツ解放戦争には、20万人以上のリネ2 プレイヤーが参加し、
4年間持続したゲーム中の戦争として、漫画,文学,芸術作品展示等、
多様な文化コンテンツとして再生産されたりしている。
(inven)
戦争に同参したユーザー達は、「内服」(キャラクター生成時に着用している基本服装)だけを
装備した状態で、高レベルユーザー達と争い、「内服団」 いう名前が付けられたりした。
また、ゲームユーザー達が自発的にコミュニティを構成して、
ゲームを楽しむ個人の自由を取り戻す事に成功したオンライン初の市民革命という意味で、
当時大きな話題となった。
●悪名高い DK 血盟
Dragon Knights(以下 DK)血盟は、リネージュ2 OBT 時から 「バーツ」 サーバーを占領し、
強圧的な歩みを見せた血盟だ。
DK は、力強い装備を取り揃えた高レベル使用者たちが集まっていて、
バーツサーバーの力の中心にあった。
また、同規模の血盟たちとゲーム内同盟を締結し、堅固な支配体系を構築した。
「アキロス」 は、DK を導いた君主であり、
2003年 8月に全サーバー最高レベルにまで上昇する(当時 51レベル)
DK は、狩り場統制と、自分の意に反するプレイヤーを PK したり、
支配中の城で高い税率を設定する等行い、力強い経済 / 政治的歩みを引き続けた。
結果、彼らに対抗する様になったその他一般プレイヤーと血盟たちは、
連合して DK に対する対立を始めながら、「バーツ解放戦争」 は開始される事となる。
2004年 5月 9日、「赤い革命」 血盟は、50人を導いて DK が支配したギラン城を占領した後、
税率を 0% にすると宣言した。
2週間後、ギラン城は再度 3大血盟に奪われたが、この事件は多くの力を持つ強い血盟たちが
DK に対抗する 「連合軍」 を組織するキッカケとなる。
連合軍は幾多の低レベル使用者で構成された。
レベルの低いユーザー達は、人海戦術を駆使して DK と対立したが、
戦闘力の差により一方的に虐殺された。
しかし、これは他のユーザー達を刺激する事で、バーツ解放戦争を触発させる事になった。
●内服団の出現
戦争初期、DK とその同盟に対抗した一部血盟は、自らを 「連合軍」 と称した。
勢力において劣勢だった連合軍は、自由掲示板で声明文を揚げて、
一般ユーザー達の同参を訴えたし、これを見た他サーバーのユーザー達は、
DK 打倒の為にバーツサーバーへと集まり始めた。
「内服団」 は、連合軍に力を貸して新たにキャラクターを作成した、
DK に対立する一般ユーザー勢力だ。
当時はキャラクターのサーバー間移動が不可能だった為、他サーバーユーザー達は、
バーツ解放戦争に参加する為に、新規キャラクターを作らなければならなかった。
これにより、低レベルの基本装備だけ装備したキャラクターが、バーツサーバーに大挙登場する。
これらは白色の基本支給衣装のみを装備していた為、「内服団」 と呼ばれた。
・内服団一員の声明文
バーツサーバーの解放戦争は、一般ユーザー達の力を導き出す事が出来なければ、
バーツ同盟が敗れる事になるでしょう。
ただ、1レベルのキャラクターでも、数十人が集まって DK 連合に攻撃を加えれば、
物理的にだけでは無く、心理的にも大きな萎縮を与える事が出来るでしょう。
今回の戦争はバーツサーバーだけでは無く、全サーバーがその結果を注目しています。
特に、巨大血盟に押し付けられている多くの呪われたサーバーユーザー達が、
一同になって動向を見守っています。彼らに希望を与えなければなりません。
彼らに自信感を与えなければなりません。二度と、どの様なサーバーでも、
この様な独裁が無い様にしなければならないのです。
私は今この瞬間、すぐにバーツサーバーにキャラクターを作成し、内服団に合流するでしょう。
私は胸の中に沸き立った血を抑える事が出来ません。
そしていつか、人々に自信を持って伝えるつもりです。
巨大だったバーツサーバー解放戦争で、内服団の一員として、その場所にいたと。
内服団の必需品ボーンダガーを貰う為に並んだ内服団(2011,NCSOFT)
内服団は人海戦術を賭して、DK を圧迫した。
これらは高レベル狩り場であるドラゴンバレーダンジョンに、数十人ずつ押しかけて陣を張った。
その後、DK 所属のパーティーが出現すれば、群れを成して攻撃した。
攻撃力とレベル差が大きかった為、内服団が DK を攻撃する時は、
体力が一番弱いヒーラーを真っ先に集中攻撃して倒した後、
残りの戦闘部隊を屈服させる戦法を使用して、勝利していった。
また、チャットウインドウの文字制限等による意思疎通の限界や、
作戦可能な人員は事実上 9人が最大という短所にも関わらず、
内服団は制限された手段を上手に用いて、数百人に作戦を指揮、命を与えた。
内服団の持続的な攻撃と不利な世論にも関わらず、DK は戦争を続けた。
2004年、連合軍の数は 2004年 7月頃には 32血盟へと増加したし、
6月、3大血盟中の一つ 「ジェネシス血盟」 は、ちょっとした衝突をキッカケに DK と別れ、
連合軍へと投降したかと思えば、7月には 5つの要衝地中の一つ、オーレン城を連合軍が奪う。
慌てた DK は、「正血盟」,「ヴィーナス血盟」 と 「DK 連合」 を構築、再整備に入っていった。
DK血盟に対立して全サーバーから集結した内服団
●アデン攻城戦
2004年 7月 17日、アデン城の攻城戦が起こった。
当時、バーツ連合軍の同盟は 40 であったが、数的には 4大血盟に劣っていた。
DK の狩り場独占のせいでレベルも上げにくかったし、
高レベルユーザーは、殆どが DK に所属していたからだ。
連合軍は続けて DK連合を圧迫していったが、DK 連合は老練な戦術により、
バーツ解放軍と相対したし、「全サーバー最強の戦闘部隊」 という 「アキロスパーティー」 が
出現すると、バーツ解放軍は焦土化された。
この為、バーツ解放軍は戦争を始めてから 1時間が経つ頃、
陣地さえ建てる事が出来なくなっていた。
以後、バーツ解放軍が力に滞って後退すると、
DK 連合は足溜まりであるオーレン城を奪い返そうと、弓部隊だけ残しておいたまま、
アデン城へと出発した。
しかし、DK 連合の主力軍隊が席を外すや否や、退却した振りをしたバーツ解放軍は、
アデン城にいた DK 弓手部隊に突進して、全滅させた。
その上、一人でアデン城を守っていた DK の一部勢力を倒す事に成功する。
この戦闘で、DK 血盟の総君主であるプレイヤーも敗れた。
オーレン城を攻撃していた DK 連合は、アデン城が攻撃されたという消息を聞いて、
踵を返して戻ろうとしたが、退路は内服団が拒んでいた。
また、戦死した内服団の死体は、DK 連合の移動を極端に悪くする様になり、
結局 DK 連合はバーツ解放軍の弓 / ウィザード部隊に敗れる様になる。
DK 連合が帰って来られない間、ジェネシス血盟の君主は城を占領した。
この日は 「バーツ解放の日」 と宣言されて、当時のネットカフェでは感激を抑えきれず、
涙を流すユーザーもいたと言う。
戦死した幾多の内服団の死体は、DK 連合の移動を拒んだ。
●バーツ連合軍の分裂と 4大血盟の逆襲
アデン城の攻城戦で敗れた DK 血盟は、
2004年 11月までギラン城,グルーディオ城さえ全て奪われて、
新たにパッチされた 「傲慢の塔」 に隠れていた。
8月には 「神の騎士団」 血盟を中心に、4大血盟がオーレン城を取り戻そうとしたが、
バーツ連合軍に敗れた。
しかし、この時から戦利品を巡ってバーツ解放軍の分裂が始まった。
報酬に対する不満が表出されて血盟が互いに争い、DK と連合する血盟が出来る等、
心細い姿が現れだした。
以後、連合軍を支持する勢力は大きく減少する事になる。
この隙に乗じて、DK 連合軍は奪われた城を全て取り戻す事に成功したし、
2005年 1月 27日には、再度無制限の PK を発動、過去バーツ解放軍に加わったユーザーは、
ログインするや否や殺し回った。
当時、DK 連合が殺したユーザーは、一日 700人に達したりした。
●DK血盟の解体
5月、DK 血盟のリーダー アキロスは、血盟を解体すると宣言する。
アキロスは、
「DK 血盟は善よりも悪を選択した。
悪があったからこそ、善はより一層輝く事が出来たと思う。」 と言う言葉を残した。
以後、DK 血盟が自発的に解散する事で、
2年に渡ったバーツ解放戦争は 2006年に終決する。
・DK 血盟解散当時の君主アキロス ゲーム内演説
世の中にも善と悪が存在する様に、リネージュ2 世界にも善と悪が存在します。
人々は誰もが善を志向します。しかし、私たち DK血盟は、果敢にも悪を選択しました。
悪があったからこそ、善はより一層輝く事が出来たと思います。
私たちは堂々と悪だったと、自信ありげに発言します。
また、リネージュ2 最高の戦闘血盟だったと言いたいです。
本血盟、DK の創設主旨と目標は、血盟が最高の全盛期に、
血盟を自ら解散するという物でした。
今、最高の時代に血盟を自ら解散する事が、自らを輝かせる時だと思います。
リネージュ2 ゲーム内での DK 血盟
●第2次バーツ解放戦争
第1次バーツ解放戦争以後、DK 同盟は 6 血盟の同盟形態にて維持されるが、
過去と比べて組織力と力は弱体化していた。
以後、同盟を結んだ 6 血盟は、反 6 血盟を掲げた血盟たちと戦争を行いながら、
持続力も弱体化していった。
以後、6 血盟は戦力強化の為に、狩り場統制を行う様になる。
これに反発した中立血盟たちは中立連盟を発足、第2次バーツ解放戦争が開始された。
ただ、6 血盟は続く戦争による疲労と内紛により崩壊する様になり、
以後、中立連盟は解散されて、第2次バーツ解放戦争も幕を閉じる事になる。
そんな訳で、約 6年に渡って長い間バーツサーバーを支配して来た DK 連合と、
6 血盟の名前は歴史の中に消えて、以後バーツサーバーの歴史は新しい血盟、
新しいユーザー達によって紡いでいかれる事となった。
投稿者 (む) : 2014年5月21日 20:34
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コメント
DK血盟がBOT全開だったことや
連合軍がアデン奪還後、害血盟と同じようにDVCでBOT使用や狩場統制を行ったせいでgdgdになった事が省かれてるな
ちょっと美化しすぎじゃないんですかねぇ