火だねに対する答えは一つだけに要約する事が出来るほど簡単な事だ。

「高すぎる。」

発表されたところによれば、リネージュ2 のユーザー競売システムの手数料計算公式は、次の通りだ。

手数料 ： 販売アイテム 1個価格の 0.7％ * 登録期間

0.7%の手数料は、ふと見た限りではそんなに高そうには見えない。
しかし、どうしてユーザーたちはこの手数料が高いと感じているのか？

●日当課金の問題点

高いと感じる理由は、これが単純に 0.7％ では無く、
代行登録期間によって手数料が増えるという点が、まず一つ目の理由だ。

リネージュ2 販売代行システムは、0.7％ の手数料が策定されているが、
期間が増えるほど手数料も増加、一週間なら 5％ 位の手数料が必要になる。

問題は、リネージュ2 ユーザーたちの販売代行システム利用パターン上、
主に長期間販売代行システムを利用するはずだという点だ。

現在リネージュ2 には個人間の取引システムとして、個人商店が存在する。
個人商店が存在するにも関わらず、競売をユーザーが願った理由は何だろうか？

リネージュ2 で個人商店を開く為には、直接ゲームに接続しなければならない。
商店を開くキャラクターを接続後、その品物が売れるまで、商売をしなければならない。

商売をしている間は、そのキャラクターで狩り / オリンピアード / 血盟戦争など、
他のコンテンツを楽しむ事は不可能になり、上のコンテンツを楽しむ為には、
その時間の競売は中止しなければならない。

良く売れるアイテムの様な場合は、短時間で売れるので関係無いが、
短時間で売れにくいアイテム、例えばレアアクセサリーや高エンチャント武器 / 防具など、
値段が高くて購買者が簡単に手を出しにくいアイテムは、普通は二週間、長ければ一ヶ月以上かかる。

リネージュ2 の競売では、この様な取引が活発では無いアイテムが出てくるのは明らかなのだ。

一ヶ月後、手数料は一体いくらになるか想像つきますか？

こんな物品が一週間登録したとして、その間に売れる様になるか？
もし売れなかったら、来週もまた手数料を出して、競売に出さなければならない。

結局は 0.7％ の手数料が、一週間後は 4.9％，二週間後は 9.8％ と絶えず増加し、
ユーザーが感じる様になる手数料負担は幾ばくにも膨れあがっていく。

もちろん、販売代行は個人商店を利用して得る事が出来ない追加の時間的な利得、
自動で取引を成功させる事が出来るという点、個人商店に比べて露出機会が大きいという様な
利点がある為、手数料を出す事自体は問題では無い。

また、一日だけ販売を任せる事に比べて、多くの日を一度に任せられるという事に、
多くの手数料が必要だという事も、常識的に考えて無理も無い。

しかし、こんなに手数料が高く感じられるという事は、単純に日付が増えるほど、
手数料が増えるという事だけに起因した事では無いのだ。

単純に考えて、同じ方式のユーザー競売を取り入れたであろう AION よりも、
リネージュ2 の手数料は 2倍以上高い。
また、AION や TERA の場合、競売登録期間は無条件で最長一週間可能だ。

手数料も他のゲームの競売より高くて、日増しに増える手数料に、
リネージュ2 ユーザーたちは二重苦を経験する様になるのだ。

ところで、この様な雪だるま式に増す手数料よりも、もっと大きな問題がある。
この手数料が 「前払い」 だという点だ。

●前払い手数料の問題点

前払い手数料の一番の問題点は、支払わなくても良い手数料が出る可能性もあるという点だ。

例えば、新しく出来るリネージュ2 の競売に、11億アデナの物品を登録すると仮定しよう。
最近のサーバーの相場を見て、この物品の場合は 10日は掛かるだろうから、
競売登録は最長期間である 7日 で登録した。

最長期間である 7日に登録したにも関わらず、二日後に物品が売れて、アデナが配送された。
この状況なら、誰もがこんな事を考えるでしょう。

「二日で売れたら残りの五日分の 3850万アデナ返して！」

残った 5日分の手数料は、嘘の様に蒸発する。

それでも必要ない手数料の無駄遣いを拒む為に、最小一日間で登録して結局売れなかったら、
毎日競売に登録する事は個人商店と違う所は無い事になる。

前払い手数料の二つ目の問題点は、競売を中止出来ないという点だ。

例えば、原価 10億アデナの物品を売る為に、競売で登録を行った。
それを登録した暫く後、他のユーザーが 9億 5千万 アデナで、同じアイテムを競売に出したら？

わずか 30分前に登録したが、こんな風に安く登録されたら...？

10億で上げた私のアイテムは、9億 5千万で上がってきたアイテムが売れるまで、
思いっきり待たなければならないでしょう。

また、9億 5千万 で上がってきたアイテムがなかなか売れなかったら、
売れるまで手数料を出して登録した期間は、実は意味が無い事になってしまう。

販売代行の妙味はここにある。
他人より早くアイテムを売りたければ、価格を調整する事が出来るからだ。

その後、販売を取り消して価格を少し下げ、9億 で上げる事も出来るが、
この場合の手数料は 2倍 になってしまう。

リネージュ2 では、販売可否と関係無く手数料が前払い請求され、
販売を取り消したとしても、手数料を返還しないからだ。

物品取引の基本は競争だ。

人より多く、人より先に売る為に、ユーザーたちは競争する。
この様な競争を通じて、物品の価格は上昇と下降を繰り返す。

この様な競争が優先視されなければならない販売代行システムが、
前払い手数料によって、価格を易しく調整出来ない滑稽な状況になってしまうのだ。

●前払い手数料の代案は後払い手数料システムだ

もちろん、販売代行システムが実装される事で機能するものも沢山ある。
以前ならば副アカウントで商店を開くか、
副アカウントが無ければ本アカウントで商店を開かなければならなかった。
商売中は狩り / オリンピアード / 血盟戦争みたいなコンテンツを諦めなければならなかった。

どちらか一つを諦めなければならなかった。

販売代行システムが生ずる事で、この様なコンテンツと販売を一緒に楽しめる様になった。
手数料は、この様な販売代行システムの機能を使用する為の、一種の利用料な訳だ。

手数料自体が間違っている事では無い。
前払い手数料方式を選ぶ事で起こる、ユーザーたちの被害が余りにも大きい事が問題だ。

販売者が違う販売者と競争する為には、代金下落による損害と一緒に、
もう上げた物品の手数料まで払わなければならない現在の方式は、
果たして個人商店を乗り越え、また一つの取引システムとして安着する事が出来る火？

ユーザーの便宜の為に、ユーザーの要求によって導入される販売代行システムが、
むしろユーザーたちの負担になってしまう現状だ。

販売代行シスｔめうの導入主旨を生かしながら、
ユーザーたちの活用を活性化させる他の代案は無いだろうか？

その代案は、前払い手数料方式では無く、後払い手数料方式の競売を運営している WoW にあった。

WoW は競売に物品を登録する時、保証金という少額のゴールドを必要とする。
WoW の登録期間は最長 2日、手数料は 5％ に固定されている。

WoW の競売は、販売時間に関係無く固定された利益の手数料だけ請求される為、
短期間の販売の場合はリネージュ2 よりも高い。

しかし、販売期間が長くなるほど登録時、少量の保証金だけを消耗する WoW の競売の方が、
断然効率良く先に進める。

また、どの期間に売れても固定された手数料を支払う為、
前払い手数料の固執的問題だった期間による手数料の蒸発面でも自由だ。

WoW 競売の保証金は、そのアイテムが持つ価値に比べて極めて少ない。
（例えば リネージュ2 で言わばスピリットショット 1 ～ 2個の価値）

もし、自分が売ろうとする物品に、競売者が新たに価格を下げて登録したとしても、
また価格を上げたり下げたりする時、大した問題にはならないのだ。

こんな風に他の競売者が登録したら、簡単に値段を下げて再登録出来る。

惜しくも、去る 4月 20日、開発チームとの懇談会過程で、販売代行の手数料は大きなぶれは無いし、
これは個人商店と販売代行システムを共存しようとする為に意図した事だとインタビューで発表された。

競売は、確かにユーザーたちが願って来たし、ユーザーの便宜の為に、NCsoft が反映してくれたシステムだ。

しかし、実際に適用された姿を見てみたら、ユーザーの便宜の為に生ずる競売が、
過多な手数料策定と、短所が多い手数料前払い方式により、むしろユーザーの利益を害しているという点で、
憂慮を振るう事が出来ない。

本当に NCsoft がユーザーの為に作る競売システムなら、
もう少しユーザーたちが利用しやすく、負担が無い方式にする事は出来ないのだろうか？