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「目標は北米・ヨーロッパ」 NCsoft グローバル市場挑戦の歴史、そしてこれからの未来

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●リチャードギャリオットからギルドウォーズ、コンシューマー開発まで

・グローバル進出の夢

去る 1998年、NCsoft は韓国ゲームの歴史に一線を置いた MMORPG、
「リネージュ1」 のサービスを開始しながら、一躍韓国屈指となる
代表ゲーム会社の中の 1つとして落ち着く事に成功した。

「リネージュ」 の成功以後、韓国でゲームを楽しむゲーマーにとって、
NCsoft を知らないものはいないというほどだ。

同時に、NCsoft は韓国だけで無く、全世界ゲーム市場の主流と言える、
北米・ヨーロッパ ゲーム市場でも、ある程度の認知を得る事に成功した。

gamescom や PAX の様な観客中心のゲームショウにおいても、
何回かの大規模な展示ブースを設置して、多くの注目を集めた事があったし、
NCsoft がお披露目した 「ギルドウォーズ」,「ギルドウォーズ 2」 などは、
商業的にも良い成果を収めた。

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NCsoft キム・テクジン代表取締役は、随分前から多数の媒体とのインタビューや、
懇談会を通じて、NCsoft の創業理念は 「挑戦精神が溢れる会社を作る」 と話しており、
「グローバルゲーム市場でも認められるゲーム会社にする為の挑戦をする」 という点を
強調して来た。

しかし、NCsoft のグローバル市場挑戦は、順調なものばかりでは無かった。
実際にその歴史を紐解けば、失敗と挑戦がとても多かったという事が分かる。



●順調では無かったスタート。リチャードギャリオットの加入で注目されたが...

NCsoft は去る 2000年 5月、まだヒット作が 「リネージュ1」 しか無かった時代に、
他のゲーム会社よりも一足早く、北米支部である 「NC Interactive Inc」 を設立して、
北米市場進出の錨を上げた。

しかし、NCsoft の北米市場進出は、開始から茨の道だった。
まず韓国と異なり、北米・ヨーロッパではゲーム会社に対する認知度が無いというのが、
最大の障害物だったのだ。

まず、韓国と台湾で大成功した 「リネージュ1」 が、
2001年 4月にアメリカ市場で正式デビューを果たした。
しかし、このゲームは他の国とは異なり、北米では失敗を味わってしまう。


当時流行っていた 「ウルティマオンライン」 は、一ヶ月で平均 10ドルの月額課金だったが、
NCsoft は 「リネージュ1」 の利用料金に、一ヶ月 15ドルを採択した。
それだけ 「リネージュ1」 の成功に、自信感を持っていたのだ。

しかし、NCsoft の期待とは異なり、リネージュ1 は失敗した。

単純にゲーム性が北米ユーザー達に合わなかったという問題では無く、
「知らない開発会社」 の 「知らないゲーム」 という点によって、
北米ユーザー達の関心さえも受ける事ができなかったのだ。


収益が少なくても、ずっとサービスを続けた 「リネージュ1」 北米サーバーは、
去る 2011年にサービスを終了した。


ゲームのサービスだけで無く、有望な開発会社を買収したいと思っても、
良い作品をパブリッシングしたくても、「NCsoft」 という名前は、
当時の北米・ヨーロッパゲーム市場と関係者たちの間では、
徹底的に 「聞く事も見る事も無いゲーム会社」 それ以上でも以下でも無かった。

この為、NC Interactive 関係者たちは、現地関係者たちと約束を取り付けたくても、
まともに取る事ができなかった時が多々あり、酷い時は門前払いされる時もあった。


こんな NCsoft だったが、北米ゲーム市場において、
一躍注目されるゲーム会社に上がるキッカケが生じる様になる。

2001年、「ウルティマ」 シリーズの父と同時に、
「ロードブリティッシュ」 というニックネームでも有名な、
「リチャードギャリオット」 の加入による影響だ。


ロードブリティッシュ 「リチャードギャリオット」。
当時、リチャードギャリオットは、「世界 3大開発者」 の中の 1人に数えられるほど、
物々しい認知度と大衆の支持を受けていた。

リチャードギャリオットの加入は、ただ有名な開発者一人が加入したという点に留まらず、
以後、NCsoft のグローバル市場攻略において、とてつもない影響を及ぼす事になる。

また、「リチャードギャリオット」 が加入した開発会社という名目 1つだけで、
NCsoft の北米市場における認知度は、とてつもなく高くなった。

リチャードギャリオットの加入により、メインストリームに合流したのだ。


そして、リチャードギャリオットが持っている人脈ネットワークや、
グローバルゲーム市場での経験は、そっくりそのまま NCsoft の資産になった。

その結果、NCsoft は 1年後の 2002年。
シアトルに位置したゲーム開発会社 「ArenaNet」 を約 187億ウォンで買収して、
子会社として合併させる事に至る。

この引受には、リチャードギャリオットが多くの役割を遂行した事が知られている。

以後も、リチャードギャリオットは 「City of Heroes」 をパブリッシングする際にも、
多くの手助けをした事が知られているし、以後の北米市場攻略、及び、戦略樹立においても、
多くの影響を及ぼした。


NCsoft のとある関係者は、
「NCsoft が会おうと言っても会ってすらくれなかった関係者が、
 リチャードギャリオットが会おうと言えば、とても簡単に会えた」 と、
当時を回想する。


City of Heroes は、北米ゲーマーたちが大好きな 「ヒーロー」 文化に目を付けて、
戦略的に攻略を行った作品だ。その結果、意味ある成果を収める。



●「ギルドウォーズ」 で全世界的なヒット作メーカーに上がる

ArenaNet は 2005年 4月、PC オンラインゲーム 「ギルドウォーズ」 をお披露目して、
これにより NCsoft は一躍北米ゲーム市場においても、「ヒット作メーカー」 として
急浮上する様になった。


「ギルドウォーズ」 は、徹底的に北米市場攻略の為に準備されたタイトルであり、
PvP 中心の独特なゲーム性が、北米ユーザー達に大ヒットしながら、大成功を収めた。

事実、「ギルドウォーズ」 は最初のオリジナル作品を始まりに、
拡張パック全てを合算して 600万枚以上の販売高を記録する様になる。


そして、「ギルドウォーズ」 の成功は、7年後の 2012年、
「ギルドウォーズ 2」 の熱風により、絶頂を成す様になる。

MMORPG として開発された 「ギルドウォーズ 2」 は、
全世界的に 1100万枚を販売するほど、商業的に大きな成功を収めた。

主要ゲームメディアからも、「今年の PC ゲーム」,「今年の MMO」 など、
各種賞を受賞するほど、「作品性」 の面でも認定を受けた。


この 「ギルドウォーズ」 と、「ギルドウォーズ 2」 の大成功により、
NCsoft は北米・ヨーロッパでも、ある程度 「認められた」 開発会社として、
落ち着く事に成功する。



●失敗と不振。しかし、諦めずに続ける挑戦

この様に 「ギルドウォーズ」 と 「ギルドウォーズ 2」 で成果を収めた NCsoft だが、
実は北米市場進出は成功ばかりでは無い。

まず、NCsoft のブランドを北米・ヨーロッパに知らせる為、
最大の貢献であるリチャードギャリオットの野心作 「タブララサ」 が、
去る 2007年、ゲーム性では注目を集めたにも関わらず、商業的な大惨敗を記録する。

これにより、リチャードギャリオットは 2008年、NCsoft から別れを告げる様になる。


そして、リチャードギャリオット退社の余波なのか、
NCsoft は 「タブララサ」 以後、2012年 「ギルドウォーズ 2」 が出るまでの 5年間、
これといった新作をお披露目する事ができず、沈滞期を経験する事になる。

野心を燃やす様に北米市場攻略に出たのは良いが、経験が足りない為、
組職は非効率的に分散して膨大になったし、「City of Heroes (2004年)」 以後、
これといったパブリッシングの成果も収める事ができなかった。

これにより、赤字も年が経つほど累積するなど、多くの困難を経験するしかなかった。


特に、「ギルドウォーズ」 と共に、NCsoft が 「World of Warcraft 」 の初期開発者たちと、
「Warhammer Online」 など、世界的な有名 MMORPG 製作者たちを大挙合流させて、
次世代主力 MMORPG として育成しようと思った 「ワイルドスター」 が 2014年、
正式サービスを開始したにも関わらず、大失敗を記録する。

このゲームは、長くなった開発期間と共に、コンセプトの変更、
そして、いざサービスされた結果物が、すぎるほど難しいものであり、
マニア志向という評価を受けて、大衆の人気を集める事ができず、惨敗した。


そんな NCsoft は 2012年、北米・ヨーロッパ組職を大々的に改編する勝負の賭けに出た。
既存 NC Interactive 上に 「NC West Holdings」 という持ち株会社を設立して、
持ち株会社を中心に組職を改編、素早い意思決定体系を取り揃えた。

その結果、NCsoft は 2012年、「ギルドウォーズ 2」 を成功的にローンチする様になり、
以後 3年連続で黒字を記録するなど、一層良くなった姿で北米・ヨーロッパ市場攻略に
拍車をかける様になる。


全世界で多様な開発会社とのパートナーシップと、
新規開発社設立も、また行う様になった。

一例では、2015年カナダのモバイルゲーム開発スタジオ 「This Game Studio」 に投資したり、
同年、アメリカ シリコンバレーのモバイルゲーム開発スタジオ 「Iron Tiger Studios」 を直接設立して、
現地市場に最適化されたモバイルゲームを開発し始めた。



●プラットホームに関係なく 「世界市場に通じる」 タイトルを開発せよ

現在 NCsoft は、オンラインゲームだけで無く、モバイルゲーム、或いは、
PC / コンシューマーゲームに至るまで、「全世界市場で通じる」 タイトルの研究開発と
確保に総力を傾けている。

そして、この様な NCsoft の投資と挑戦は、
益々一つ一つの結果物として世の中に出ながら、可視化されている現状だ。


特に、モバイルゲーム側では韓国市場だけで無く、
グローバル市場を戦略的に狙う作品 「AION:Legions of War」 がサービス準備中であり、
これ以外にも上で言及した This Game Studio が開発する 「Lineage II : Dark Legacy」 も
サービスを目の前に控えた状況にある。


そして、NCsoft は未だに全世界市場において、無視出来ないパーセントを占めている、
「コンシューマーゲーム」 に対する挑戦も、引き続き行っている。
どうしても北米・ヨーロッパ市場は、コンシューマーゲームの比重が高い。
その為、NCsoft は数年前からコンシューマーゲーム市場にも関心を持ち、
自社開発やパブリッシングなど、多様な方面での市場進出を推進している。


最近では、音楽・リズム ジャンル ゲームシリーズで有名な、
「Harmonix Music Systems」 の新作をパブリッシングする契約を締結した。

また、去る 2017年には、「ブレイドアンドソウル」 のコンシューマー版を開発すると言い、
多くの注目を集めた事がある。
この時は PS3 や XBOX360 などで、ブレイドアンドソウル以外も多様な作品の開発を行い、
弛まず研究開発を推進したと知られている。



NCsoft は去る 2000年以後、およそ 18年の間、
北米とヨーロッパゲーム市場への進出に、多くの挑戦を続けた。

困難を経験した事も多く、中には失敗を記録したものも多かった。

しかし、2018年現在、NCsoft はある程度海外でも認知のあるゲーム会社となり、
また、モバイルや PC オンライン、コンシューマーゲームに至るまで、
多様な作品が一つ一つ可視化されつつある状況であり、その将来が期待されている。

果たして NCsoft は以後、世界市場でどんなゲーム会社として成長するのだろうか。
以後の歩みを期待してみる事も、面白いだろう。

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