◆ 21:30 神々の火鉢に進入

予定出発時間だった夕方 9時より少し遅れたが、
神々の火鉢に200人の遠征隊が無事に到着した。
30分程度の時間誤差は、今までの事例を照らして見れば非常に良好なものだった。
遠征隊は予めアデナで表示しておいた道に付いていって火鉢に進入したし、
花火の歩廊入口まで好調な勢いを保ちながら、無事に目的地まで進行していった。

◆ 22:30 ヴァラカスの巣進入

もしかしたら本サーバー最初のヴァラカスレイド成功になるかも知れない状況だからなのか、
GMも5名も常在していた。
ヴァラカスを動作させ、竜を操るのにGMが5人いなければならないという噂もあったが、
以後のレイドでヴァラカスの人工知能を見ればGMが操るという話は嘘だったと判った。

移動の間、人員チェックを続けながら200人の遠征隊は花火の歩廊に立ち入った。
花火の回廊の終りでヴァラカスの巣に入ることが出来る心臓が待っている。
花火の回廊は細くて長い通路で成り立っている為、ここから落ちてしまえば戻る事は出来ない。
墜落事故によって何名の人員がヴァラカスレイドに到着出来ずに帰る事もあったのだ。

◆ 22:43 ヴァラカス登場

ヴァラカスの巣に立ち入ってから20分が経てば主役が登場する。
遠征隊はヴァラカスを坂道に誘引して倒そうとする思惑で、
ウィザードたちを丘の上に配置させて丘の下にその他の人員を位置させた。
いよいよ43分、ヴァラカスが壮大な威容を要して熔岩の中から姿を現した。
ヴァラカスは登場と同時にしきりに火炎を噴き出して、異分子に向けた憎悪心を現わにした。
広い陣を広げた遠征隊もここで怯まずに、荒い反撃に出ながら竜を倒そうとする人間と
超越的生命体との死闘は終りが分からないものとなった。
ヴァラカスを丘に誘引することはたやすい事では無かった。
動きの早いヴァラカスはこちらあちらをのさばり歩く為、
受動的な戦略では多くのダメージを与えにくかったのだ。
それで指揮部は丘の上から迎え撃つ作戦を諦めて、
溶岩の舞う地上に降りての全面戦争を広げることを指示する。

◆ヴァラカスの特徴

１．スピードが非常に早い。
　　粗大で重い感じのアンタラスとは違い、ヴァラカスは非常に素早い感じを与える。
　　移動スピードがすごく早いから短剣等のパーティが付きまとうのに大変だ。

２．旋回力が良い。
　　スピードよりもっと恐ろしい点は旋回力がすごく良いという点だ。
　　前を見ていていながらも違う方向に攻撃したりする。

３．通常状態は恐れるまでもない。
　　ヴァラカスの攻撃力は力強いが、大きく恐れるのはない。
　　通常時の前足の爪の攻撃は2～3,000のダメージで、充分に耐える事が出来る。
　　しかもアンタラスの前足攻撃より範囲が狭いので、この攻撃自体は全然問題にならない。
　　ヴァラカスはブレスを通常状態で使う。
　　非常に強力で当たれば一撃で死亡するスキルだが、
　　このスキルも範囲が広くない為、散開陣形で対立したら大きな被害を受ける事はない。

４．メテオストライク。
　　空から隕石を落とすヴァラカスの最終形態で使用してくる技。
　　体力が50%を切った時点から使い始める。
　　範囲がとても広く、ダメージも死を覚悟する程だが、
　　スキルを使用する時に準備動作がある為、見てから避けることが出来る。

５．フィアー
　　ヴァラカスはひどいと思うほどにフィアーを使用する。
　　ヴァラカスの攻撃力よりフィアーによる火力分散がとても痛い。
　　当然に対処する方法はない。
　　ただ、ヴァラカスの口と正面に立たないことが最善の解決策だ。

６．スキル使用の予測は可能。
　　ヴァラカスをアシストすれば誰をターゲットで攻撃するのか分かる。
　　だからターゲットがつかまったプレイヤーの名前をあらかじめ知らせてくれれば
　　少しでも早く避けることが出来るし、被害を減らすことが出来る。
　　特にヴァラカスが自分(ヴァラカス)をターゲットしたらメテオストライクを使うという合図だ。
　　これを通じてヴァラカスの攻撃をあらかじめ予測することが出来るし、
　　メテオストライクも、あらかじめ避けるだけで全然問題にならない。

７．ドライアードルーツにかかる。
　　アンタラスと違ってヴァラカスにはドライアードルーツがかかる。
　　確率は極悪すぎるが、ルーツにかかれば何秒にもならない時間だが、
　　好きなだけ攻撃する事が出来る。
　　ヴァラカスの攻撃射程はウィザードや弓職より短いからだ。

◆ 23:10 切断

ヴァラカスレイドは順調に体力を減らしていった。
しかし、予想していた伏兵が現れた。「回線の切断」だった。
ヴァラカスの巣で接続が切られると、無条件で最寄りの村に行くようになるのだ。
数百人の人々が団結して動いて集うレイドの特性上、
プログラムエラーによる切断は生ずるものと決まっている。
接続の切られた人々がまた巣に入って来る事は出来ない。
村に強制移動されてしまう為、ヴァラカス遠征隊の人数はどんどん減っていくのだ。
この点に対してあるユーザーがGMコールを行い苦情を入れたが、
GMの返事は以下の様なものだった。

レイドボスゾーンはリスタートゾーンで、
サーバーダウンによる切断が起こっても村に移動になる。

アンタラス、バイウム、アナキム倒す時も切断すれば30分はその場に留まり、
また戻ってくる事が出来たが、ヴァラカスだけ何故特別の取り扱いを受けるのか？
もし今度レイドが失敗に終わったら、この部分は大変惜しい事として残っただろう。

◆ 23:35 ヴァラカス、メテオを発動させる！

ヴァラカスのHPが50%を切ると最終形態のスキルを発動し始めた。
ヴァラカス周辺で大規模隕石を落とすメテオストライク！
範囲も広くてダメージも想像を超越する。
記者のキャラクターは1レベルではあるが、
おおよそ450,000のダメージを受けるほどだった。(取材史上最大ダメージ)
ヴァラカスがメテオを発動していくと、遠征隊の被害が急激に増えて行った。
アンタラスが最終形態をHP20%を切ることで発動する事に比べ、
ヴァラカスの最終形態は非常に早く出る方なのでレイドはもっと難しい。
ヴァラカスは体力が25%まで落ちた時、より一層メテオを乱射した。
相次いで3回ずつ使いながら、メテオ乱舞をお目見えした。
この様にメテオを乱射する時は、近接パーティは近付く事も出来なかった。

◆ MP管理が勝負のカギ

今回のヴァラカス遠征隊には、おおよそ12のウィザードパーティーが属している。
火力は通常のレイドより比べることが出来ない程高かったが、
極端なMP休憩の余波に苦しまなければならなかった。
この為にMP回復速度を増加させてくれるソードミューズが必須だった。
しかし、ソードミューズの数が多くなくて、
全てのウィザードパーティーに入って行くことは出来なかった。
それで遠征隊はウィザードパーティーを 8人で構成して
最後の1人をソードミューズがソングオブメディテーションを専担する方法を使った。
ソードミューズ1人はMP管理にずっと留まりながら、
12のウィザードパーティーがMP休憩しに来たらメディテーションを専担した。
この様にMP管理をしてコンダクターのインストラクショナルに従って
瞬間的にウィザードの火力を集中させたし、
残りの近接部隊はヴァラカスのHP回復を阻止させることに集中した。
ヴァラカスはこれを気づいたようにたびたびMP回復場所にブレスを炸裂させ、
MP休憩していたウィザードを皆殺しにする事件も発生した。

◆ 01:30 終りが見える！！

ヴァラカスがメテオで荒荒しく抵抗している為、レイド速度はめっきり落ちたが、
戦士たちは持続的なダメージを与えていた。
ヴァラカスのHPはじょじょに減少し、レイドを初めてから3時間経過した時、5%にまで落ちた。
指揮部は攻撃の要であるウィザードのMPを全快にして総攻撃に出た。
そして1時45分、レイドを始めてから3時間ぶりに
全サーバー最初のヴァラカスドラゴンスレイヤーが誕生する事になった。
ヴァラカスは自分の巣をプレイヤーに渡して、四枚の羽を隠したまま遠く消えて行った。

◆ ドロップアイテム目録

ヴァラカスが遠征隊に捧げる贈り物たち。

アデナ：149,808,039
ヴァラカスのネックレス（970,000,000にて落札） 1
エンジェルスレイヤー(S級短剣) 1
ドラゴンハンターアックス(S級鈍器) 1
ソウルボウ 1
ダークレギオン 1
カルニウムボウ 1
タラムブレード 1
ドラコニックヘルメット
ドラコニックレザーメイル 1
インペリアルクルセーダーブーツ 1
アルカナグローブ 1
ダークシールド 1
マジェスティックガントレッド 1
ナイトメアブーツ 1
タラムヘルム 1
タラムホース 3
タラムレザーメイル 1
ナイトメアレザーメイル 3
ダーククリスタルレザーメイル 2
タテオシアンイヤリング 1
フェニックスイヤリング 3
マジェスティックイヤリング 2
祝福復活スクロール 20枚
祝福帰還スクロール 15枚
武器強化スクロール：Aグレード 10枚

◆インタビュー

◎L2day :
レイドの準備過程を教えてください。

◆アレタ :
3週間前から構想しました。
クエストが最大の問題だと思った為、
ヘルプを積極的に行い、1次召集の時一緒にクエストを行ったりしました。.
そして仕事の後の今日、ヴァラカスレイドを成功させました。
私の個人的な事情で日程が延期されたにも関わらず、
みんな参加してくださって感謝いたします。

◎L2day :
レイドの人員の構成は？

◆アレタ :
通常近接のパーティが4パーティ、ウィザードパーティが12パーティ、
弓手のパーティが6パーティ、復活組が1パーティで構成しました。
ウィザードパーティは8人体制で、残りの１枠でソードミューズを回して
MP休憩を容易にさせました。
思ったより近接パーティの役目が重要でした。
ヴァラカスはアンタラスより止めている時間が長くて、
デバフと防御力の役目をしてくれる近接パーティが必須でした。
復活組は本来 MP支援を目的に構成したものでしたが、
死亡者が多くて復活組の役目に回り、これも非常に重要でした。
復活組が無かったら、レイドに成功することが出来なかったでしょう。

◎L2day :
丘利用作戦の失敗理由を教えてください。

◆アレタ :
地盤位置指示が下手な私の過ちです。
丘の上に登って行かなければならない人員たちが
たくさん底に落ちてしまい、まともに運用出来ませんでした。

◎L2day :
多くの人々が切断しましたが…

◆アレタ :
レイド途中で多くの人員が切断するとは予想出来ませんでした。
切断時の処置について、どうやら30分前に沢山の数の人を巣に入れた後リスタートを行い、
また200人が入って行って先のリスタートキャラクターを復活させて、
多数の人員がいっぺんにレイドすることを阻む為にそうしている様です。

◎L2day :
自ら感じて見たヴァラカスの威容は？

◆アレタ :
準備過程でたくさん見てきた為、何の感懐はありませんでしたが、
メテオの威力が思ったより力強くて当惑しました。
今回のレイドではウィザードがヴァラカスのHPを減らし、
残り人員たちがヴァラカスのHP回復を沮止するのに力を注ぎました。
レイドの一番の功績を決めようと思いましたが、
数え切れない方が活躍された為決められません。
次回レイドでは丘地形を活用した戦略をまた試してみたいと思っています。
パーティーの組み合わせは今の状態がベストなので変更は無いでしょう。

◎L2day :
15サーバーのレイド文化に関して教えてください。

◆アレタ
15サーバーはフィールドレイドモンスターが1時間以上生きている状態が珍しく、
20～70レベルまで、クイーンアント、コア、オルフェン等のボスモンスターも
沸いたら次々とレイドが進行されるサーバです。
また、ヴァラカスレイドも全サーバ最初に成功するようになって嬉しいです。
去るバトルトーナメント以後、15サーバーの最大の快挙のようですね。

◆終えて…
今年が終わる前に、ヴァラカスレイドは幾度なく行われたが成功はしなかった。
テストサーバーでヴァラカスを倒した事はあるが、皆レベル77以上、S級装備だったのだ。
だから、ヴァラカスがこんなに早いうちに倒せるとは予想する事が出来なかった。
これはユーザーの絶え間ない挑戦精神が成した成果であり、
15サーバのユーザーの自慢になるでしょう。
ヴァラカスの牙城が崩れるによって、他のサーバーでもヴァラカスレイドが起こるでしょう。
最強の生命体に対する挑戦と共に、ヴァラカスのネックレスという最強のレアアイテム。
200人での精算を通じる高い精算金など補償が確かだからだ。
今年の冬、ヴァラカスは客の準備をたくさんしなければならないでしょう。